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「私たちにもできること」はロールプレイの手法を使い大量消費の生活への見直し、世界の人々の生活に目を向けることをねらい展開しました。「森林のおかげ」2)の物語を聞かせ役割取得をした討論会形式を導入しました。全員の児童が殺害1」カードに基づく役割を分担し同じ殺害1」ごとにグループを作って自分たちに有利な資料を集めます。そして自分たちの主張を正当化するための意見を考え、違う立場のグループが何を発言するかを予想し、それに対する反対意見も準備して討論会に臨んだわけです。「森林のおかげは」は、熱帯雨林が豊かな緑村に日本の木材会社がやってきて森の木を売ってくれと言う、木を売ってもっと豊かな暮らしがしたい村人もいるが、このまま森を守っていきたい者もいる。いったいどうしたらよいのかという内容です。最初は自分たちが書いてあるメモを読みあげていたのでかたい雰囲気でしたが、だんだん役割になりきった発言が飛び出しのってきました。子どもたちの討論の中に、「木を切ってしまったら木からの贈り物はなくなる。お金がたくさんあることが幸せなのですか。」「動物園にいけばいいと言うけど、艦の中は自由に暮らせない。いやです。」など人間や動物、森にとって幸せとは何かを問う発言がでてきました。
ロールプレイによる話し合いは、実際にその立場に立つことがどうなのか擬似体験でき、他の立場に立って問題を考えることでその人がどのように感じるのか、またその立場で問題を解決しようとするなら、何が弊害なのか理解することができたのではないかと思います。
この学習が終わった時、ある子が駆け寄ってきて「私、誕生日プレゼントに新しい自転車を買ってもらうんだけど、今の自転車まだ使えるからやめたほうがいいかなあ」と相談に来ました。自分の生活を振り返って考えてくれたことをうれしく思いました。
《特別活動・児童会活動》
2学期の終わりに児童会活動で全校で楽しめるお祭りのようなものを企画しました。4年生以上のクラスが低学年をまじえて、楽しく遊んだり作ったり、見たりできる活動を考えました。お化け屋敷やゲーム、工作など子どもたちの工夫が生かされた活動でした。ベルマークやグリーンマークを入場券がわりにしたのも子どもたちのアイディアです。
クラスでは、「環境に関係する出しもの」に決まり、劇で木や紙の大切さを訴えたいというグループ、新聞でポイ捨でについて書きたいグループ、廃品で工作やゲームをしたいグループに分かれ、それぞれ自主的に協力して活動できました。自分たちが選んだテーマなので最後まで意欲的に活動できました。

 

4 実践を終えて
理科の生き物の観察を通し、環境と関わりネイチャーゲームをすることで自然と触れ合いなら自然を見つめる目を育て、問題意識を持たせていく。社会のゴミや水問題について調べ学習を通し、関心を高め日本の森林、世界の森林へとその目を広げていく。そして道徳では人間としての生き方を追求していく。
こうした一連の流れは子どもたちの興味・関心を持続させ、道徳の話し合いでは今までの学習が生きている発言が見られ、自分の言葉で自分が感じていること、考えていることを言い合い活発な話し合いになりました。また老人会などの交流を中心にした体験学習は共通の体験となり、それを基に話し合いも深まりました。
しかしやや強引に子どもたちを引っ張ってきたところがあります。子ども自身が本当に切実に自分の問題としてとらえていたかと言われると課題が残ります。目の前の子どもたちが何に関心を持ち、何に問題を感じているのかしっかり見つめ、何をテーマにどのよう

 

 

 

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